教室長ブログ

■ 大学入試における英語民間試験活用問題について【瑞穂市の学習塾 MUGEN学院 穂積駅前教室】

こんにちは!MUGEN学院穂積駅前教室の木村です。

文部科学省は11月1日付で、2020年度の大学入試における英語民間試験活用のための「大学入試英語成績提供システム」の導入を見送ることを発表しました。経済的な状況や、居住している地域にかかわらず、等しく安心して受けられるようにするためには、さらなる時間が必要との考えから決定したそうです。2024年度に実施する試験から導入することとし、今後1年を目途に検討、結論を出すということでした。

「理想と現実」という言葉がありますが、今回の件に関して、政府や文部科学省は本気で来年度からの大学入試のしくみを替えていこうとするのにはあまりに準備不足であり、見切り発車といってよいのではないでしょうか。今回の一番の被害者は、そういった大学入試を利用していく受検者たちです。受検の枠組みですらあやふやなままで、大学受検に向かって準備をしなくてはならなかった受検者たちや関係の民間機関に対して、政府や文部科学省はもっと誠意をもって謝意を示す必要があると思います。

英検協会は今回の決定を受けて、英検協会が実施運営する「英検2020 1 day S-CBT」「英検2020 2 days S-Interview」「英検CBT」「TEAP」「TEAP CBT」「IELTS」の各種試験において、すでに発表している会場等の2020年度の実施概要(2019年度例外措置含む)、ならびに今後の対応について一旦見直し、再度案内するとしました。英検協会では、まず文部科学省から延期の経緯と今後の方針などを聞き、詳細を協議しながら改めて諸々を決定する考えを示しました。今後決定次第、Webサイトにて公表していくそうです。

民間の英語機関に関しても、二転三転するこうした国の方針変更に対して、対応方法に大変困惑していると思います。私たちも今後こうした検定をどう活用していくべきか、国の方がきちんと決めてくれない状態では、生徒たちに何をどう受検させていくべきかどうかの判断が大変難しい状況です。話す力をもっと伸ばしていこう、大学入試の中でもきちんと位置付けていこうとする国の方針方向についてはある程度理解はできます。しかし今後大学入試のしくみを替えていくにせよ、まずは受検者ファーストで考えていき、少なくとも10年ぐらいのスパンの中で慎重にことを進めていかなければ、また今回のようなケースになってしまうと思います。非常に遺憾でお粗末と言わざるを得ない政府や文部科学省の対応に振り回されるのは、他の誰でもない、当事者である受検者たちであることを、国は決して忘れてはいけないと私は強く思います。

生徒たちのためにも、今後の大学入試に対する国の動向に関して注視していきたいと思いますし、またブログの中でも適宜お伝えできればと思っています。